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2009年6月17日 (水)

鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」(創元推理文庫)

トンデモ歴史ミステリー短編集。「コジツケだ」と怒りだす人もいるだろうが、自分はこういうの嫌いじゃない。誰が悪者にされてる訳じゃなし、面白けりゃぁいいじゃんよ。「真説」と銘打って自分の好き嫌いを主張する陰謀説大好き似非学者の書いた本のほうが余程タチが悪いや。内容も知らずに通販で買っちゃったけど、コレは正解。

本書はバーの常連サンの「歴史バトル」の形式でトンデモ説が展開される。会話中心だから長ったらしい説明もなくテンポよく読み進めることができる。胡散くせえ(笑)と思いつつも心地よくトンデモ説に乗せられてみるのも乙なものだ。

5W1H、どの話もニタニタしながら(怪)拝読したが、ミステリーとして一番よく出来ていたのは、やはり標題作でもある「邪馬台国はどこですか?」かな。でも個人的に一番笑えたのは

「維新が起きたのはなぜですか?」

だ。ネタバレ気味に紹介文を書くと、こうなる。

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《たったひとりの催眠術師が仕組んだ維新大回天》
志士たちはその男の意の儘に動いた。
不思議といえば不思議だが、当然といえば当然だ。何故ってそれは、彼が催眠術の達人だからさ。
そんな黒幕のオモテの顔は、何と幕臣だった…!?

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この「黒幕」、幕末明治の政界で異彩を放つ化け物のような政治家だ。恐ろしく顔が広く、手が広い。初対面の人間も簡単に手懐けてしまう。その不可解さ故に黒いイメージが付き纏う。気味の悪い男だ。催眠術のひとつやふたつ使えたとしても何の不思議もない。

幕臣でありながら全国規模の人脈を持ち、志士たちに大きな影響を与えた。もともと彼の目には幕府も薩長もないのだから、それを批判するのは的外れなのだが、彼が冷笑家で毒舌であまりに飄々としているので、腹黒いイメージが独り歩きするんだわ。ホントは腹黒さなんて微塵もない御仁なんだけどねぇ。

…腹黒そうなだけで(爆)。

もしこの説の誤りを証明するものがあるとすれば、それは明治政府と明治時代の在り方そのものだろう。「おいらにそんな妖術が使えたらヨ、世の中ちったぁマシな方向に進んでいたろうさ。何が御一新だ何が文明だ、べらんめぇ」。「黒幕」はそう啖呵を切るに決まっているんだ(笑)。

それでも「維新の黒幕は某幕臣」説、個人的には結構好きかもしれない。「♪幕臣の幕は〜黒幕の幕♪おいらは黒幕、黒い幕臣さ〜」みたいな。(←大馬鹿)

…しかしKさん、あなた大活躍だな(呆)

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