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2010年1月24日 (日)

今更大河ドラマ「篤姫」を語ってみる。

先日SINSEIさんのブログにお邪魔して超ファンタジー大河ドラマ「龍馬伝」のファンタジー加減について愚痴らせていただいて(SINSEIさん、ご面倒おかけしました。汗)、そんで思ったことがひとつ。
 
「ファンタジー大河ドラマ『篤姫』は確かにブチ切れながら見ていたけれど、何故かリタイアはしなかったよな?」
 
 
いろいろ考えてみたが、主な理由は3つだ。

 
理由①:主役のあおいチャンは特に美人だとは思わないが、結構好きな顔だった。(汗)
理由②:本寿院さまの登場が楽しみだった。(ビバ汚れ役。笑)
理由③:大奥のドラマだけをやれば成功しそうな予感がしていた。
 
個人的には理由③が一番のポイントかな。
だからこそ理解に苦しむのだ。
何 故 ム リ ヤ リ 政 治 と 絡 め な け れ ば な ら な か っ た か。
 
特に薩摩藩士や幕閣の連中との関わり方は、すぎる。
 
尚五郎さんこと小松帯刀との関係はバカバカしすぎて全く話にならないから言及しない。
だが似非・天璋院と似非・勝海舟との関わりの描き方は悪意があったとしか思えない(笑)
もし麟太郎に政治的窓口的な役割を担わせようってんなら、晩年の彼がニヤニヤしながら(たぶん^^;)語った談話録の話に近い路線にすりゃあ良かったんだ。
 
たとえば・・・そうだな。
大奥と幕閣との接点を設けるのなら、大久保忠寛さん(彼が出てこないのも不自然だった^^;)と勝さんの遣り取りなんかをキッカケにしても良かったな。贅沢三昧の大奥の皆さんにも倹約に協力してもらおうって話でさ。
 
「このままじゃあ奥から幕府が潰れてしまいかねないなあ、勝さん。」
「そうでンすなぁ。・・・ねえ大久保さん、この際あたしが行って(説得して)みましょうか。」
「おっと、君が行くのか。お偉方が喧しそうだな。君は名代の横紙破りという評判だから。」
「なあに横紙破りじゃねえ御老中方が何を仰有ってもダメだったんだ、ダメでもともとでやんしょう?」
「ハハッ、それもそうだ(笑) それに却って君のような男が動いたほうが事は上手く運ぶかも知れん。」
「ちげえねえ(笑) それにあたしゃあガキの頃から奥に知り合いがいるんでさ。」
「そうか、そうだった。まあ、煩さ方には俺のほうから何とか言っておこう。」 
 
 
台詞は想像。関わった幕閣の面々も省かれてる。でも話自体はまったくの創作じゃないよ。
で、以来勝さんが大奥に出入りするようになり(大奥では結構人気者)、それが江戸開城の際の天璋院さんとの「対決」の伏線になるの。
で、いよいよ明け渡しってときには「私は出て行かぬ。出て行けと言うなら自害します!」と立て籠もる天璋院さんを勝さんが3日かけて説得する・・・という例の談話通りの展開に。(この遣り取りが爆笑モノ。)
勝さんはここで城の外で何が起きているのか洗いざらいブチまけてしまうのだ。
挙げ句、天璋院さんに問われるがままに「太平記」なんかの話もしちゃってさ。
 
不穏な空気は伝わってくる。しかし肝心なことは何も知らされない。不安ばかりが募ってゆく。
そこに「城を出て行け」と告げられた---。

何故脚本家は、そんな大奥の女の心情をちゃんと描けなかったのだろう。
明治の御代の天璋院さんと勝麟さんとの信頼関係だって、「籠の鳥」の状況下での関わりがあって初めて生まれたものだろうに。
 
「大奥の女たちの話」に路線変更(つーか修正。笑)する機会はいくらでもあったのだ。
だから一抹の希望を胸に(?)辛抱強く展開を見守り続けることもできたのだろう。
でも実際は歴史的イベントと主人公を絡ませておけば盛り上がるだろう的な安易さがエスカレートする一方だった。政治の話に首を突っ込んでは歴史を改変する変な姫君、何もせずとも物事を理解し都合良く動かせる凄い姫君が登場するファンタジーな幕末史を造り上げてしまっただけだった。「等身大キャラ」を作ろうとして、本物の天璋院さんがどんな立場に置かれ、どのように考え、どのように激動の時代を乗り越えていったかを検証するのを忘れ、まるで「タイムスリップ明治維新」みたいになってたところがバカバカしすぎた。
(そんな題の小説あったなぁ・・・維新の黒幕が天才催眠術師っていう。→参照「邪馬台国はどこですか?」感想文
 
結局のところ、脚本家が」「私だったらこうする」「こうだったらいいのにな」的な現代人目線で人物を描いてしまい、そこにムリに歴史が絡んだところで話が破綻したということかな。
歴史物としては、失礼ながら「クソ」である。(キッパリ) 
基本的に「一話一事件」的な纏め方をして複雑に話を引っ張らなかったところは評価するし、嘘が多すぎたとはいえ一応描きたい人物像がハッキリしていた点も評価に値するとは思うのだが、ついでに本寿院さまの汚れっぷりは歴史に残る傑作だとも思うのだが、・・・何度でも言う。
 
歴史物としては「クソ」である。
単なるドラマとしてはどうか知らないが。
 
幕末を生き抜いた女の強さと苦悩に迫れないような脚本家に歴史物の脚本を任せてしまったNHKは阿呆だ。
そして、あんなものをまるで歴史物であるかのように世に流布してしまったことについては担当者はどう思っているのかね。
 
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■勝海舟の中の人@「篤姫」

北大路さん自体は全然嫌いじゃないんだけどさ、やっぱり貫禄ありすぎだった。夏に見ると暑さが増すキャラだった。飄々としていて人を食ったところのある勝さんらしさがなかったし、だいたい実年齢と離れすぎているあたりが全然雰囲気じゃなかったな。
(しかも某携帯会社のCMでは犬のお父さん役。麟さんが大嫌いな犬だぜ・・・何だか嫌がらせみたいだ。笑)
 
でもさ、北大路さんが銀幕デビューの際に貰った役ってナニゲに「勝麟太郎」なんだよね。当時12歳^^

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コメント

りんぞぅさん、こんにちわ!記事内でSINSEIのブログを紹介して下さって、ありがとうございました!

龍馬伝第三回観ましたよぉ~。もうなんだかNHK教育で子供向けの坂本龍馬のドラマを観ている様な気分になってきましたよ。。。``r(^^;)

なんだか話がすごく幼稚な感じなんですよね。

この分じゃ武田勝海舟も金八勝海舟となってしまいそうな悪寒。

さて篤姫の件、SINSEIは幕末が好きと言っても歴史にはそれほど詳しくないので、とても興味深かったです。

ちょっとうがった見方かもしれませんが、もしかしたらNHKさんは「歴史から何かを学ぼう」なんて気はさらさらなくて、

天下のNHK様が下々の国民に啓蒙したいことがまず最初にあって、それに誰もが批判しにくくて影響力も大きい歴史的ヒーローを、ただ単に利用しているだけじゃないのだろうか、などと思いつつあります。

SINSEIは篤姫を観て、ドラマとしてはすごく楽しめたのですが(それは歴史に詳しくなかったからなのかもしれません)、それでも「ん?」と思うこともありました。

「今の時代の道徳観から見たらそれは正義だけれど、当時そんなことしたら国が潰れちゃうよ」って思ったこともいくつかありましたから。

例えて言うなら、江戸時代の吉原を指して「売春はイケないんだ!」と主張している様な感じかな?(あんまり良い例えでなくてすいません、、、``r(^^;)

歴史って綺麗事だけじゃすまないことってあるじゃないですか。今の時代からみたら悪でも、当時はしょうがなかったこととかもあるし、

そんなことお構いなしに、まるで今の時代の聖人君子のような主人公が、歴史的イベントに大ナタを振るう。

な~んか、そんな感じなんでしょうかねぇ~。

長くなってスイマセンでしたぁ~また遊びに来ますね。

投稿: SINSEI | 2010年1月26日 (火) 13時37分

あ、間違えました、、、龍馬伝第4話でした。。。

投稿: SINSEI | 2010年1月26日 (火) 14時16分

SINSEIさん、こんにちは^^
遊びに来て下さいまして有り難うございます!
レスが遅くなりまして失礼つかまつりました。m(_ _)m

明日はいよいよ「龍馬伝」第5回ですねえ。
皆さん「龍馬」の看板に騙されちゃってるんでしょうかねえ・・・。
実は私、第4回の予告、見てしまいました。
福山さんの腰の入っていない剣と、気の抜けそうな「えいっ」に脱力してしまいました(笑)
司馬先生の「竜馬がゆく」の「竜馬」並に剣が遣えるという設定にするなら、演技の出来に妥協があってはいけないと思ってしまった次第です。

>金八

激しくイヤですなあ(笑)
まぁ、あの武田さんが軽妙洒脱なキャラorスカした色男風の雰囲気を醸せるのなら別にいいんですけどね!!(怒)

さて、私の酔客的「篤姫」談義にお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
いや、私も特に幕末史に詳しいというわけでもありませんので・・・(汗)
何せ私の脳内の幕末明治は勝さん中心に回っておりますから、見方が偏っている可能性も大ですし^^


「篤姫」は或る意味良くできたドラマではあったのですが、やはり歴史物と銘打つにはムリがありましたねえ。
天璋院という面白いキャラクターだっただけに、その素材を生かせなかった料理人(脚本家)と総料理長(某公共放送)のヘタレっぷりが目立つ結果となったのが残念でなりません。

>天下のNHK様が下々の国民に啓蒙したいことがまず最初にあって、それに誰もが批判しにくくて影響力も大きい歴史的ヒーローを、ただ単に利用しているだけじゃないのだろうか、などと思いつつあります。

ははあ、なるほど!
大河ドラマの影響力(放送期間の長さや注目度など)を利用して特定の価値観を電波に乗せ、我々「愚民」を説教しようという魂胆ですな^^;
我々も随分ナメられたものですが、主人公と同時代に生きた有名無名のご先祖たちに対して申し訳ないと思ってしまいます。


>例えて言うなら、江戸時代の吉原を指して「売春はイケないんだ!」と主張している様な感じかな?

実にお見事なたとえですよ(笑)
時代とその社会構造を検証せずに、ある出来事やある習慣だけを見て糾弾しちゃうっていう・・(笑)

政治経済のニュースなんかを見ていると、すぐムードに呑まれてしまう歴史の浅い民主主義社会の未成熟さを思い知ることがありますが、だからこそマスコミは特定の価値観を垂れ流したり、影響力のある歴史上の人物を利用したりしないでもらいたいものですな。

SINSEIさん、
また何時でもいらして下さいませ^^

投稿: りんぞぅ | 2010年1月30日 (土) 19時20分

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