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2010年4月19日 (月)

龍馬伝(16回):勘違い自由人と田舎臭い軍艦乗り

某所で大河ドラマ「龍馬伝」について熱く語っている人を発見。
 
曰く。
 
 
「本物の勝海舟は、武田鉄矢よりも

安達祐実
 
に近くない?」
 
今回のミスキャストっぷりについて言いたかったんだろうが、男優ではなく女優の名前が出てきたので驚いた。
でも、言われてみれば解らないでもないなあ、その感覚。
ちっこくて、生意気そうで、瞳が大きくて、ぱっちりした顔立ちってことだよね^^;
妙にツボにはまってしまって、笑いを怺えるのが大変だった。
 
Photo_2
 
で、昨日18日放送のサブタイトル「勝麟太郎」。
見ない気満々だったが、20時前になって何を思ったかオトンが「オイ、たまには龍馬見てみようぜ」なんて言い出した。
私「ヘヘッ…怖いもの見たさで?」
オトン「今日は凄いのが出そうだからな(笑)」
私「うわー・・・まさか?」
オトン「まさかの麟太郎。」
  
…で悩んだが片手間に見てみた。片手間だったのは、コント紛いの掛け合いが寒々しくて、また「文政生まれ、満年齢30代」の面々が揃いも揃って阿呆ジジイだったこと&中年のオッサンたちの薄気味悪いハイテンションぶりが痛々しくって最早正視できなかったことに因る。「目もあてられない」というのはこういうのを指すのか。
幕末は「若いエネルギー」が発散されるから良いんだよ。中年がハイテンションで騒いでいても何も面白くない。
 
以下、雑感。 
 
■たいした努力もせず、一人前に他人に説教して、あとはウジウジ悩んでいるだけで周りの女どもが都合良く動いてくれるという中年ニューヒーローが、今回も不思議な達観ぶりを披露。今度は自ら「海軍構想」を語りだしましたぜ旦那…。
■時代考証だけでなく方言指導も放棄か。ひでぇ江戸弁だな、ありゃぁ。一番の違和感はテンポとリズム感。歯切れが悪すぎる。
■画面が黄色で顔色がどす黒いのは慣れたが、なんで軍艦奉行並がそれに輪をかけた黒さなんだよ。
まさか一部の肖像写真を見て『日焼け顔』って決めつけたかね。確かにやたら黒光りした写真は残っているけれど、あれは黒いエナメルを引いた金属板に焼き付ける「ティンタイプ写真」だからだよ。被写体がどうしても黒っぽく写るの。
当時の歴史に詳しいならこれくらいは知っていてもおかしくないだろうに。演出家が手を抜いたのか。それとも俳優が勘違いして役作りをしてるのか。
■予告編でまた登場した容堂公含め、文政生まれの3人(後の二人は11年生まれの春嶽公と6年生まれの麟さん)が全員ジジイたぁどうゆうことだよ(←江戸弁風) 脚本家さんよ、さてはあんた文政時代に恨みでもあるんだな。
■脚本家は「自由人」を描きたいのかなあ。
でも自由ってああいうのを謂うのかね。自分の意思で選び、自分の意思で行動する。その過程で、或いはその結果によって権力による不当な抑圧を受けないこと。それについての責任を自分で負うこと。これが「自由」なんじゃないの?
好きな人と好きなときに好きなことをするのは「自由」じゃない。
今日は取捨選択の決断を迫られないノンプレッシャーな状態を「自由」であると勘違いしているモラトリアムな人物像が「自由人」だと思ってる人が脚本書いてるのかな、と思ってしまったんだが、どうなんだ。いや、まさかね・・・小学生じゃあるまいしさ。
■脚本家がどういう方向に話を持っていこうと自由なんだけど、そこに誘導するための伏線も張らずに視聴者の脳内補完に甘える根性がイヤだ。お前らプロでしょ。
■軍艦に乗り込む似非・勝先生に笑った。「どっこいしょ」って掛け声が聞こえてきそうで。渡米時に「逞しく身軽である」(ブルック大尉)と言われていた麟さんが、たった2年後にあんな無様な乗り込みかたをするようになるもんかね。
■いい年して「黒船じゃー」連発。海軍について悟ったことを語ったヤツが、そのテンションですか。馬鹿なのかなあ。
■おいらの弟子になりたきゃ勝手についておいで、みたいな勝先生が、あんな野暮な問答で若者を試したりするもんか。
 
 
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【オマケ】
「勝麟太郎『色白』説」を何処で読んだか思い出せないんだけど、肖像写真を拝見したり、お弟子さんの証言を読んだりする限りは、少なくともこんがり日焼けしたキャラクターではないと思わざるを得ない。
何せ色白であることが粋な男の条件のひとつに挙げられていた時代である。(「東海道中膝栗毛」にも「白い手拭をかぶると、顔の色がしろくなつて、とんだいきな男に見へるといふことだが、ほんとうかの」なんて台詞が出てくるくらい。)赤銅色に日焼けした逞しい男など珍しくもない時代、男女ともに綺麗だと言われたのは色の白い人間である。
と、考えると、やっぱり「キレイで牛若のよう」だったと言われた先生が色黒ってのも変な話だよね。
 
参考までに、勝先生の肖像写真を晒しておこう。
 
↓先生50歳くらい。
P131_01  

もう一枚。こちらは明治20年より前。
P131_02  
・・・下の写真は「中の人」である武田さんと同年代の頃だ。
もし、流石に満39歳の役に無理があるということで先生のアラカンの頃をイメージして役作りをするにしても、これくらいの雰囲気は目指してほしいと思うわけです。・・・って、無理かい?

ちなみに麟さんのひい爺さんと同じ北陸出身のウチのオカンは恐ろしく色白なんだが、彼女は「黒い勝先生」を横目で見ながら、元々白い肌の人間は多少焼けてもすぐに褪せる、あんなふうに黒いのはあり得ないと力説していた。
確かに周囲の色白の人間のことを思い出すとそんな感じである。ちょっとくらい焼けても、すぐに色褪せて元の白さに戻ってしまうんだ。

 
別に顔なんか似てなくったっていいからさ、せめて雰囲気くらいは「それっぽく見せる」努力はしようや。
来週大活躍の容堂公が、今から気の毒でならない。

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コメント

用管窺天

投稿: | 2010年4月19日 (月) 19時28分

名無しさん、はじめまして。
「管を用いて天を窺う」ですか(笑)
確か中国の古典ですよね。当方浅学ゆえ出典などは存じませんけど。
確かにおっしゃる通り! 巨視的なモノの見方の出来る人はカッコイイし羨ましいです。
このコメントはこの記事に関する感想とお見受けしましたが、それで宜しいですよね。
勿論、ひとつのご意見として有り難く頂戴いたします。
 
このドラマにつきましては、細い管ならぬ液晶画面を通してでしか拝見しておりませんので、私の力ではどうしても個人の感想以上のことは表現できず、また俯瞰的なものの見方ができるほどの見識も才能もありませんので「管を用いて・・」のような状態になってしまいました。また史実については当方詳しくはございませんし、創作的部分はあっても構わないと思っておりますが、それに対して如何なる感想を持つかにつきましては単に個人の好き嫌いの問題であると考えております。(申し訳ありませんが、私は「嫌い」です。)
しかしながら、おそらくは名無しさんのお気に召さない記事を書いてしまったことは間違いないと思いますので、そのことについてはお詫び申し上げます。
 
ただ、ひとつだけ・・・。
私は幕末とその時代を生きた人たちが好きなんです。
現在私がこの時代を見るための軸にさせていただいている勝さんも、その愛弟子の龍馬も。その気持ちについては、このドラマが好きだとおっしゃる幕末フリークや龍馬ファンの方々と同様だと思います。
そして、総合して「見るに堪えない」とは思っておりますが、たとえば美術の担当者の仕事などは手が込んでいて好きであるということにつきましても、ご理解いただけると大変嬉しいです。(艦上のエキストラの皆さんの仕事ぶりや勝さんの書斎の小物なんか、良かったですよね。)

長文になりましたが、この度はコメントありがとうございました^^ 

投稿: りんぞぅ | 2010年4月19日 (月) 22時43分

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