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2010年7月 7日 (水)

WM準々決勝:ドイツvsアルゼンチン戦感想文。

ドイツvsアルゼンチン戦の再放送があったから、観てみた。
深夜だからスタジアムのどよめきが伝わる程度の音量で観戦。
どうせ解説を聴いたってアルゼンチンのファン目線の話ばかりに決まってるから、別に聞こえなくてもいい。
 
自分、こないだからドイツ贔屓を名乗ってるが、実はただの「贔屓」ではなく「ファン」である。
国歌も歌える。ドイツのフットボール界の話をすれば「彼のユーゲント時代はさ」「バイヤンは昨シーズンのヘルプストマイスターだから」みたいに妙な用語が混じる。
2002年モデルのレプリカユニも持ってる。
 
だからアルゼンチンの勝利のみを期待する試合前の雰囲気に我慢ならなかった(苦笑)
別に「好きだから勝ってほしい」って正直に言えば悪い感じもしないのにさ、「ブラジルもアルゼンチンもいなくなったら大会が寂しくなるから残ったほうが望ましい」とか言ってるヤツ、最低だ。そんなヤツは日常生活の中でも「そういうの傷つくからやめてくれ」って言うかわりに「君は常識も思いやりもないのか」って言い方で他人を非難するんだろ。
だいたいな、みんながみんなアルゼンチンに勝ってもらいてえと思ってるワケじゃねぇんだぞ。
 
しかし、わが(?)ドイツよ。
この横方向への展開力は何なんだ。
縦方向の破壊力は何なんだ。
有機的、ダイナミズム、機動性、緻密さ、沈着、効率性、攻守のバランス・・・
一度ボールが回り始めると次から次へと人が出てくる。
この上なく憎たらしい。そして随分と気味の悪いチームになってやがるじゃないか。
 
メスト・エジル。
彼は巧い。そして速い。ノスタルジックな雰囲気のテクニシャンではなく、新時代の匂いをプンプンさせている。
フィリップ・ラーム。
26歳の主将。試合後興奮気味に喋っている様子はまだ20代の若者だが、ピッチ上の彼は主将の重圧に押しつぶされる気配もない。
ヨアヒム・レーヴ。
ラテン系の雰囲気を醸している青シャツ監督とその愉快な仲間たちは、前回大会の夢を見るような若さ溢れるチームの延長線上にありながらも全く雰囲気の異なった力強いチームを作ってきた。
 
「個はαでありΩである」。
フットボールはチームでやるものだが、チームの絆がどうのっていう美談だけで勝てるほど甘くはない。
一人ひとりが自分の役割を果たすという責任を背負い、仲間にも責任を果たすことを要求する厳しさがなければ勝てない。
今大会に限らずだが、強いドイツ代表にはそういう厳しさがある。
今回のチームだって、一人ひとりがやるべきことを真摯にやっている誠実さが見える。
だから試合の流れが相手に傾いたときも浮き足立つこともなく、自分たちのプレーが上手くいっている時間帯であっても淡然とプレーできるのだろうよ。
 
アルゼンチンが出鼻を挫かれてその後の全てが後手に回ったことは確かだろう。
ただ先制されてゲームプランが狂っちまったというのは不正確かな。
アルゼンチンには「個」があっただけである。
監督は中心選手を選んだ上で彼らに奉仕するための集団を作っただけである。
自らの現役時代のようなチームを作ろうとでもしたのかね。
彼と彼らは「個はαでしかない」ことを忘れていたかのようだった。
そしてフットボールは相手がいなくては成立しないということも。
ドイツのゴールネットが揺れたこともあったが、あれは見事なオフサイド。
アルゼンチンはイメージ通りにプレーしたんだろうが、相手にパスのタイミングやコース、選手の動きを読まれていたら、イメージ通りの結果にはならない。
 
残り10分、アルゼンチンの監督は何も手を打たなかった。
試合を棄て、チームを捨てたかのように、ただ呆然としていた。
あの状態で何が出来る、と問われたら、何も出来なかったと答えるよりなかったとしても、彼は動くべきだった。
ドイツは最後まで攻撃の手を緩めず、足を止めなかった。
相手を完膚なきまでに叩きのめすことが礼儀であるかのように。
最後のアルゼンチンの攻撃も落ち着いて凌ぎ、試合終了。
 
ドイツ、完勝。
 
バラックがいない。だがチームは機能している。大会前に不安を口にする人がいたことが嘘であるかのように。
そのバラックも勿論、現地で試合を観ていた。観客としてではなくチームの一員として試合を観ていたのだろう。彼は満足げにチームメイトたちを眺めていた。
それからミロ。
大先輩ゲルト・ミュラーに並んだね。新しい伝説の誕生か。
2002年の嬉しい驚きから2大会。ゴールパフォーマンスの宙返りは相変わらずだが、彼はあの頃にも増して逞しくなった。
 
 
しかしまぁ、久々の夜更かし。死ぬほど眠いんだが。

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