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2011年4月20日 (水)

「JIN-仁-【完結編】」第一話

子供のころから「流行」というものは疑ってかかるべきものであり、警戒すべきものだった。
子供のころからテレビドラマを真面目に観た記憶なんて殆どない。
そんな自分が何故か大ヒットドラマを楽しみにしている。この状況、なんだか居心地が悪い。
 
つーわけで、「あの江戸が帰ってきた」。
2話分しか時間を取れないところに3話分ぶち込んだような展開だったが、まあ幕末文久四年→元冶元年の慌ただしさそのままだと思えば問題ないか。ただ盛りすぎるとテーマが絞れなくなるから、このテンポで話が進むのは今回だけであってほしい。勿論歴史物として観るとツッコミどころもそれなりにあるんだが、単なる時代エンターテイメントなのだから、そこを突っ込むのは野暮天だろう。
 
てなわけで、以下雑感。 

■「神」って何だ。
「天」とかのほうが日本っぽくて好きだが、まあいいや。ここでは人の運命や時代の大きなうねりなど、何か大きく抗いがたい力のことなんだろうな。人の意志なんてものは、人の行為なんてものは、その力の前では無力なのか。だとしたら、それでも懸命に生きることの価値とは何なのか。…これはドラマのテーマというより、人間の普遍的なテーマだね・・・。
 
■象山先生。
本日のキーパーソンは象山先生と見た。もうね、仁先生に出会うためだけに生き延びたとしか…。
リアル象山先生は、云わば生き急ぎ死に急いだ人だ。ドラマの象山先生は150年後を見てしまったわけだが、そんな彼には時代の流れのスピードがじれったく思えたのかな。早く150年後に追い付きたかったのだとしたら・・・あのエキセントリックさも、「なるほど」なんだよね。

しかし名優・市村さん…ちゃんと服を着ていたシーンが殆ど無かったぞ。ついでに子役の坊やが市村さんに似た雰囲気で面白かった。

 
■西郷吉之助どん。
朴訥で優しく誠実な一面と、革命家としての強さ・大きさが感じられる役作り&演技。近頃の西郷どんの中では一番いい雰囲気かも。これは期待大。
 
■長州藩士・久坂さん。
うっへぇ…まさかの「ひとつになろう日本」的発言。リョウマだってあの人に薩長同盟を示唆されるとは意外だったろ(笑)。
とはいえ「医師」としての視点を前面に出すのは新鮮だった。武士が、特に尊王攘夷派がオール馬鹿という某幕末コスプレドラマより全然いいよ。(去年一年くらいダラダラやってたヤツね。)

■現代的なテーマ。
今回のテーマのひとつは「命の軽重」か。凄く現代的なテーマだが、誰かを徹底的に悪者にしたりせずに描けるのは、現代とは違う価値観で生きる人たちの中に現代人がいるというシチュエーションのドラマだからこそ。
「・・・腹を切らせろ。」の仁先生、いいね。
ときどき豹変するから好きだよ先生。
死ななくてよい人たちを殺した人たちだから死んでもいいという道理はない。目の前に救える命があるなら救うべし。
建前上でさえ命に軽重があるのが当然の時代。武器を持っている者が自分の信念や御家の利益のためなら武器を持たない弱い者を犠牲にするのはやむを得ずと思っていると思われても仕方ない人たちに向かって、現代人の価値観丸出しで正論を吐く先生がカッコイイのだ。
あの時代、「武器を持たぬ人たちを権力側の都合で苦しめる者は全て『賊』だ」「天下を取る(or守る)ことしか考えていない連中の政府なんぞに正当性はない」と本気で言ってた人がどれくらいいるのかね。
(幕府の勝さん&大久保さんコンビくらいだと思うよ…。)

 
■帰ってきた師弟コンビ。
本物の坂本龍馬もあんなだったら楽しいな、と思わせてくれる夢のあるリョウマ。本物のようなムダなカッコ良さはないが(失敬)、飄々とした中に知能犯的凄みを覗かせるカラッと軽い勝先生。今度こそ大暴れしてくれよ軍艦奉行。(出世して「並」が取れた。笑)
 
大スクープを話したくて話したくて師匠が手紙を読んでる傍から先を話そうとする弟子。
一応最後まで目を通そうとしているのを邪魔されたくない短気な江戸っ子師匠。
この面白師弟コンビにも別れのときが近づいている。
時間も空間も隔てているはずの二人が同じようなことを言ったり書いたりしているという事実を何度か目にしたことがあるけれど、つまるところ彼らは「その後」も師弟であり続けたんだろうと思う。
リアル勝先生の、あまりにも早く死んでしまった自分より一回りも若い弟子への思いは、いかほどのものだったろう、と考えてみる。
先生は政治や経済、教育などの話はするくせに、あまり愛弟子の話をしない。明朗で多弁だが感情の処理はヘタクソであろうと思われる麟さんが最後まで消化しきれなかった感情のひとつが、リョウマへの思いだったんじゃないかと個人的には思うんだが・・・。
 
■喜一ちゃん、栄さま。
自分は喜市ちゃんの「生きてなきゃ笑えない」で泣くほどナイーブじゃない。つーか、ドラマなんかで泣いたことはない。喜一ちゃんが言ってることも実に正しいと思ったんだが、如何せん表現が陳腐だったかな。が、栄さんの咲さんへの「楽しみにしています」にはグッときた。抑えた演技、そして厳しいセリフの中に溢れんばかりの愛情が垣間見えるようなシーンが個人的には好きですね。
 
■山田先生。
今回もペニシリンを大事に大事に抱えてた山田先生。彼もやるときはやるよ(シャキーン)
 
 
…次回は漢方医の逆襲でも予定されてんのかね。
自分「リョウジュン先生に喚ばれるってったら、来週はお城の中で事件ってことかな」
オトン「イトウゲンボクあたりが怪しくないか」
 
いずれにしても仁先生がピンチに陥るらしいが、陰謀の黒幕よりも誰が仁先生を助けるのかが気になる。先生と親しい幕府の役人といえば「アホウの守」の勝先生なんだろうけど、彼は禁門の変の後に役職をクビになって謹慎処分を喰らっちまうはずだし…。
ううむ、どうなんだ…?! (原作読んでないだけに何もわからん。)
 
---------------------
あ、一応、オフィシャルサイトね。
http://www.tbs.co.jp/jin-final/

 
■追記
曲者(正体は山田先生)に侵入されたとき、仁先生が握りしめてたものって、芋? ちゃんと見れなかったんで、気になる^^;
(つーか先生、イモじゃ武器にはならんだろ。笑)

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コメント

余計なお世話かもしれませんが…。


原作には「神」という言葉はほとんど出てきません。「神は乗り越えられない試練は与えない」ってやつはドラマのオリジナル(元は聖書?)です。実際に助からない命をたくさん見てる医者が言う言葉ではないよね。

それと次回仁先生を助けるのは仁自身です。もし原作通りなら。

投稿: ひで | 2011年4月20日 (水) 04時01分

ひでさん、どうもはじめまして~♪

ご親切にありがとうございます。
原作をご存知なのですな!

「神は・・」はやはりドラマオリジナルでしたか(笑)
江戸時代の話の中に出てくると、ちょいと唐突な感じを受ける言い回しですよね。
個人的には懸命に生きている人が懸命に生きようとする人に、或いは自分自身に向かって言う励ましの言葉として捉えるなら全っ然構わないとは思うんですが(若しくは試練を乗り越えた人が辛い時代の記憶を克服するための言葉とか・・)、これを無闇に使うバカ(失敬)がいたら嫌だなあと思っていたもので。

次回はどうやって仁先生が仁先生を助けることになるのか、楽しみに見ることにします(ニヤニヤ)

投稿: みろく | 2011年4月20日 (水) 11時05分

こんばんは!
私このドラマはリアルタイムで第一話から観てました。
しかも藤田まことさん目当て…
時代劇だからまず流行らないと思ってたんですけどね~
ほんと、居心地悪いですね。
私達のような流行らない物好きにとっては。笑

>神
確かに原作では言わないですね。
逆に原作では人間の持つ持つ力が強いって言ってる気がします。
私はそっちのほうが好きです。

>象山先生
あのような大人物がいきなり出てきていきなり死んだのはもったいなさすぎると思いました。
市村さん良い演技されていただけに…
しかも仁先生、象山先生知らないし。笑
こういうところ、原作だと小説で読んだとか、詳しくはないけど何々をした人らしいとか解説して、すごく丁寧に扱うんですけどね。

>西郷吉之助
貫禄ありましたね。
しかし象山先生と会ったばかりでこの人と会って
あっという間に別れてあれよあれよでした。

>久坂玄瑞
攘夷は大義のためって気持ちはあったかもしれないけど
この段階で長州藩士がひとつになろう発言は違和感ありました。
この御方ももう退場…慌ただしかったなー
しかしJIN龍馬も大河龍馬みたいになってしまって正直落胆しております…(-_-;)

>テーマ
仁先生が医者として生きるべきかってテーマでまとめてはいるんですが
「歴史を変えないために救うべきではないかもしれない」って悩むのが理屈では理解できてもちょっと共感しにくいんですよね。
この辺じっくりやるためにもう少し内容は落ち着かせていただきたかったです。
出来れば第一話は戦争じゃなくて町ネタでやってほしかったなぁ。
次回から町ネタにいきそうな気もしますね。

ところで話が変わりますが、ブルックが勝さんのことを手すりに登ったり大変身軽だったと言ってますが、
「歯を合わせたまま話す」とも書いてますよね。
ここ、萌えませんか?
私だけでしょうか?笑

投稿: aoi | 2011年4月20日 (水) 22時05分

aoiさん、こんばんわ~^^
また遊びに来て下さって嬉しいです! 貴ブログにもまた遊びに行きますね(*^-^)

いよいよ「完結編」が始まりましたねえ。>JIN
私も前作はリアルタイムで観賞した組です。aoiさんと同様「B級SFで幕末モノと来ちゃ流行るわけないわな」と思ってたら、このアリサマで(笑)
何故観ようと思ったのかといえば「主人公が医者で、名前が『仁』っていうベタさ加減がいいなあ^^」というような感じでしたな。
(そんなイイカゲンな視聴者なので、ロクな感想文が書けません。笑)
 
おっしゃる通り、各人物の「登場→退場」が慌ただしすぎましたよねえ。市村さん、もっと見たかったなあ。傲慢な感じやスカした感じだけでない、骨のある象山先生。役作りも流石でした。
西郷どんはこれからも出てきそう(出てくるんですよね?)だから、まだまだ見どころが多そうですが。
 
大河龍馬>上から目線で「間違っちゅー」→ウジウジと「どういたらええがじゃー」→いつの間にか解決→周囲が龍馬スゲー・・・みたいな、すごく新鮮な龍馬でしたね(爆)おまけに150年後を知ってるような口ぶり&変な反戦思想と平等主義。政治や経済に対する理解度は限りなく低いけれど、なぜか褒められる。
JIN龍馬もああいう路線まっしぐらなんでしょうか。ええ、私も今後の龍馬像については一抹の不安を感じておりますとも。久坂さんとの絡みは幕末感に乏しくて好きじゃありませんでした・・・個人的な意見ですけどね。
 
町ネタ>私も暫くは、大人物と絡みながら歴史の流れがどうの、っていうネタはなくてもいいかなと思ってます。まぁ、そもそも江戸に来ちゃった時点で歴史は変わっちゃってますし、江戸で暮らす仁先生が見たいです。^^
 
ブルック大尉発言>
おおっと、唐突ですねえ(笑)。
初めて「歯を合わせたまま・・」を読んだとき、私もかなーり気になりましたよう。
で、思い出したのが、父の知り合いで生粋の江戸っ子だっていうオジサンのことなんですが・・・昔ウチに遊びに来てたりもしたその方は、歯切れのよい早口でありながらあまり口を大きく開けて喋ってる感じではなかったんですよね。ちょっと見、唇だけ動いてるっていうか^^;
勝さんもそういう感じだったのかなぁ、なんて考えましたが、真相はどうなんでしょう・・・。
あと何十年か経って地獄の入口まで行ってみたら、閻魔様の話相手になっている勝さんに会えそうな気がするので、そのときにでも是非確かめてみたいですね(*´д`*)モエー

投稿: みろく | 2011年4月21日 (木) 19時39分

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