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2011年6月22日 (水)

「JIN-仁-【完結編】」第十話:人が生きる意味。

第九話は感想文をサボりました。
いろいろ感じるところはあったんだけど、何書こうか考えてるうちに「とりあえず面白かったし、それ以上はどうでもいいや。」という気分に。
前回、ストーリーとは関係ない部分で凄いと思ったのは、脇役のキャスティングの贅沢さ。そして脇役だからといって人物像の造形を雑に済ませていないという点。スタッフの皆さんもいい仕事してるけど、俳優さんが、また凄い。
特に前回目に付いたのは西郷どん。見れば見るほどハマってるね。あと数年間は藤本さん以上の西郷どんは見られない気がするよ。それくらいの存在感。動か静かと言ったら「静」。水か火かと言ったら「火」。理か情かと言ったら「情」。外観が「らしい」というだけでなく、そんな内面を含めた人物像がクッキリと浮かび上がってくる。このドラマに限らず、ドラマや映画の見せ場って登場人物の意見や感情がぶつかり合ったり溢れたりする場面が多いと思う。そういう中では、この西郷どんのような寡黙でどっしりとしたキャラクターはいいアクセントになる。
対照的なのが勝先生か。上と同じような分類をするなら「静、水、理」。西郷どんとは真逆の、さらりとしたキャラだが決して軽薄なわけじゃない。境界線を軽々と飛び越える類の軽やかさ、都会人らしい淡白さ、そして妙な凄みのある冷静さが絶妙だ。幕末ドラマというのは熱がこもって息苦しい雰囲気になったりしがちだけど、こういう冷めたキャラがいてくれると見てる側はホッとするし、何より空気が「締まる」よね。
 
で、第十話雑感。
 
遂に「悪友」リョウマを失ってしまった仁先生。(視聴者である自分も悲しい。ついでに仁先生の「りょぉまさぁん♪」の台詞が聞けなくなるのも。笑) この大切な友人を救うことが自らの使命と思い、そこに自分が幕末なんぞに飛ばされてきた意味を見出そうとしていた先生にとっては、あまりにも大きな喪失だったろう。そこに自らの死の気配。何もかも無意味に感じてしまったとしても仕方ない状況ではある。
心に穴の開いてしまった先生を笑顔で待っていてくれたのは、三隅先生の陰謀のせいで酷い目に遭いながらも希望を捨てずに困難を乗り切った仁友堂のお医者さんたち。牢屋にぶち込まれて心身ともにボロボロになりながらも守るべきものを守りきった山田先生が、仁友堂を畳みたいと言った仁先生に亡き洪庵先生の志を思い出させるべく喝を入れたシーンは良かった。佐分利先生が仁先生との出会いを感謝するシーンも。
 
その山田先生を助けるために三隅先生を罠にハメる策略を仕掛けた策士・勝先生が、遂に西郷どんと対決。日本が新しい国として再出発をすべきときに内戦で国が疲弊すれば列強の餌食になっちまう・・・という話を、小さな茶碗の中での争いに例えるんだが、西郷どんは「坂本さぁが同じことを言っていた」と言う。勝さんは「おいらがあいつを真似てるんじゃない、あいつがおいらを真似てるんだ。おいらはあいつと一緒なんだ。あいつは終わっちゃいねえんだよ。」と。・・・あいつはおいらの代わりみてえに動いた挙げ句に殺られちまったが、ご生憎さま、まだ親玉であるおいらが生きてやがるんだベラボーめ、という意味か。前作の「あいつ(リョウマ)がいなくなっても、あいつの代わりは出てくる」という、ちょっと聞いただけでは冷たく聞こえるような台詞と被せると面白いかもしれない。「誰かが斃れても、その志は別の誰かによって引き継がれる」と勝さんは言っているのだ。こんな重要なことをサラリと言ってのけるとこが粋だよねえ。
 
ということで、今回のテーマは「受け継がれる志」といったところかね。
洪庵先生→仁先生、洪庵先生→お弟子さんたち、仁先生→仁友堂の面々、勝先生→リョウマ・・・といった具合に。
野風さんの出産の回では、ひとりの人間の命には限りがあるけれども、それは新しい命によって確実に未来へと受け継がれる・・という命の繋がりの話をした。今度は「たとえ自分が死んでも、その志は技術や知識とともに誰かの手に残る」という話だ。これは人が生きる意味でもある。人が人と出会う意味でもある。そうして受け継がれた有形無形の財産は、ときには時間も空間も軽々と超越して、また別の誰かと出会うんだ。
仁先生の「自分は何故幕末に送り込まれてしまったのか」という問いは、生まれてきた意味を見出そうとする人間の問いそのものじゃないのかな。 
 
 
次回が最終章。
このままだと上野戦争にでも参加しそうな恭太郎兄さんが心配だよ。生き残って帰ってきたとしても勝先生にぶん殴られそうだし。リョウマも幸せそうな顔で死んでいったけど、未来への希望で胸がいっぱいの人間はみんな幸せそうな顔をしている。御旗本の恭太郎兄さん、そして橘家の皆さんに未来はあるのか・・・?

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